「木の魂を蘇らせる風」――エアー鉋工法に込めた祈り
2025.12.09
「木の魂を蘇らせる風」――エアー鉋工法に込めた祈り
風雪に耐え抜き、波浪と闘って幾十年―― 自らの務めを全うして解体される船。 それから料理屋の看板になる船縁の板。 そういう人生が大事やで。 ――松下幸之助
この言葉に、私は深く頷く。 人も、物も、役目を終えたその先にこそ、もう一つの命がある。 そして、私たちの技術「エアー鉋工法」は、まさにその“もう一つの命”を吹き込むために生まれた。
■ 木の命を、もう一度
エアー鉋工法―― それは、空気と植物性粉体を用いて、木材の表面を数ミクロン単位で丁寧に削り、汚れや劣化層、古い塗膜を取り除く乾式の再生技術。 「払う」「削る」「剥ぐ」「粗す」の四役を一台でこなし、木の肌を傷めることなく、白木の美しさを蘇らせる。
この技術は、神社仏閣といった歴史ある建造物にも採用されている。 それは単なる修復ではない。 風雪に耐えてきた木々に、もう一度、息吹を与えること。 それは、祈りであり、敬意であり、未来への橋渡しだ。
■ 技術の奥にある「縁」
人間もまた、何かの良き縁に触れて、魂が蘇ることがある。 それと同じように、建物もまた、時に応じて新たな命を吹き込まれるべき存在だ。 私たちの技術は、ただの作業ではない。 木と人と歴史をつなぐ“縁”の技術である。
長年、手作業で行っていた作業を大幅に短縮しながらも、 その一つひとつの工程に、私たちは心を込めている。 なぜなら、そこに宿る魂を、私たちは知っているからだ。
■ 未来へつなぐ、静かな革命
特許 第6206898号―― この数字の裏には、無数の試行錯誤と、木への敬意が詰まっている。 エアー鉋工法は、単なる効率化ではない。 文化を守り、命をつなぐための、静かな革命なのだ。
これからも私たちは、木の声に耳を澄ませ、 その命を未来へとつないでいく。 それが、私たちの使命であり、誇りである。
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