【冬至に「ゆず湯」と「かぼちゃ」を楽しむ理由】

2025.12.10

一年でいちばん夜が長く、昼が短い日——それが「冬至」です。 2025年の冬至は12月22日（月）。この日を境に、少しずつ日が長くなっていきます。

日本では昔から、冬至にゆず湯に入る、かぼちゃを食べるという風習があります。なぜこのような習慣があるのでしょうか？今日はその由来を、やさしく紐解いてみたいと思います。

🍊 ゆず湯に入る理由
冬至にゆず湯に入るのは、ただの風習ではありません。そこには、こんな願いが込められています。

邪気払いと身を清める　ゆずの爽やかな香りには、邪気を払う力があると信じられてきました。　冬至は「陰」が極まる日。だからこそ、心身を清めて新しい「陽」の気を迎える準備をするのです。

無病息災を願って　ゆずの木は病気に強く、長寿の象徴。　その力にあやかって、健康を祈る意味も込められています。

言葉遊びの縁起担ぎ　「冬至（とうじ）」は「湯治（とうじ）」に通じ、　「ゆず」は「融通（ゆうずう）」が利くように—— 　そんな語呂合わせも、昔の人の遊び心ですね。

🎃 かぼちゃを食べる理由
冬至に「かぼちゃ」を食べるのも、意味があります。

「ん」がつく食べ物＝運を呼ぶ　かぼちゃは「なんきん」とも呼ばれます。　「ん」がつく食べ物は「運」がつくとされ、「運盛り」として縁起が良いのです。

栄養たっぷりで風邪予防　かぼちゃにはビタミンやカロテンが豊富。　寒さが厳しくなる冬に備えて、体を整えるのにぴったりの食材です。

保存がきく、冬の味方　夏が旬のかぼちゃですが、長く保存できるため、冬にも食べられる貴重な栄養源でした。

🍵 冬至は「一陽来復」の節目
冬至は「一陽来復（いちようらいふく）」とも呼ばれ、悪いことが続いたあとに、良いことが巡ってくる転換点とされています。

だからこそ、ゆず湯で心身を清め、かぼちゃで体を整え、新しい「陽」の気を迎える準備をする—— そんな日本の知恵と祈りが、この風習には込められているのです。

今年の冬至、あなたはどんなふうに過ごしますか？ゆずの香りに包まれて、かぼちゃの甘みを味わいながら、静かに、でも確かに、運気の芽吹きを感じてみてはいかがでしょうか。