森羅万象から学ぶ人生「現場での実証実験が最大の財産」
2023.03.09
森羅万象から学ぶ人生「現場での実証実験が最大の財産」
少し前に京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者・稲盛和夫氏の著書『生き方』をご案内しましたが、稲盛氏はそのなかで、本田技研工業創業者・本田宗一郎氏にまつわるエピソードをご紹介しています。
それは、稲盛氏が参加した温泉旅館を借りて2泊3日で開催された経営セミナーでの出来事で、その講師に本田氏が招かれていたのです。
参加者は、慰安旅行気分で宴会場に集まり、浴衣姿で本田氏の登場を待っていたのですが、そこに現れた本田氏は、油の染みた作業着姿であり、登壇したとたんに、「一刻も早く会社に帰って仕事をしろ」と聴衆を一喝したのです。
温泉に浸かって、飲み食いしながら、宴会気分で経営を学べるわけがなく、そんな遊び半分な姿に憤りを感じたのでしょう。世の中にある、旅行付きの経営セミナーなどは、こんなスタイルのものが大半です。
そして本田氏は、「自分は誰からも経営について教わっていないが、実際に会社が経営できている。だから今すぐ会社に帰って仕事をすることしかない」と言ったといいます。
稲盛氏は、本田氏から受けた一喝により、現場での実践実証の重要性に改めて気付いたのです。稲盛氏は言うまでもなく、これまでに偉大な仕事を数々成し遂げてきました。それを実現した知恵は、現場での経験の積み重ね以外からは生まれていないのです。
つまり、自分が心血を注ぎながら現場で行なった実証実験こそが最大の財産になるのです。改めて、現場での経験ほどの宝はないことを忘れないでください。
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