森羅万象から学ぶ人生羅「基礎を徹底的に深掘りする」
2023.11.29
森羅万象から学ぶ人生羅「基礎を徹底的に深掘りする」
高名な化学者として知られる喜多源逸氏は「応用をやるには、基礎をやれ」と門下生に述べました。一見、当たり前のことを言っているにすぎないと思われますが、「基礎を“徹底的に”やれ」と言い換えれば、喜多氏の真意が分かります。
これは、化学という学問の特性を踏まえた言葉でもあるのです。機械工学や電気工学の基礎である物理学でも同様でしょうが、化学は有機化学、無機化学に別れ、さらに医薬品開発の基礎中の基礎でもある重要な学問です。
その化学は、20世紀初頭まで実験結果が成果の中心でした。それは化学者の知識だけでなく、実験に当たる化学者の経験に左右されるという不安定なものです。そのため実験が成功に終わっても、その人にしか得られないノウハウであれば普遍化、共有化が難しかったのです。
しかしそれでは裾野は広がらず、化学の発展も遅いものになります。そこで門下生の1人であるノーベル化学賞受賞者・福井謙一氏に対して、数学や物理も徹底的に学ばせました。
なぜなら、化学式を理解するには物理学の素養が必要であり、その物理学の基礎を支えているのは数学だからです。福井氏はその言葉に従い、化学とともに数学や物理学も猛勉強し、その努力がノーベル化学賞受賞に結びついたのです。
これはビジネスでも同じです。自分の仕事で大きな成果を上げるには、高い専門知識が必要ですが、いわゆる専門バカになるような学び方では、いずれ成長も止まってしまうでしょう。
そのためには「AをやるにはBが必要だ。そのBをやるにはCが必要だ」と繰り返し、実践実証していくのです。それはまさに基礎を徹底的に深掘りすることに他なりません。何事にもこの姿勢で臨めば、人が得られない成果を手にすることができると強く認識してください。
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