森羅万象から学ぶ人生羅針「中途半端な優秀性」

2023.09.13

森羅万象から学ぶ人生羅針「中途半端な優秀性」
　この投稿でも度々登場するフランスの貴族、文学者のフランソワ・ド・ラ・ロシュフコー（ラ・ロシュフコー公爵フランソワ6世）は、「自分1人が賢い者になろうとするのは大馬鹿者である」と述べています。

　それは、他人の才能を一切認めようとはせず、自分1人だけ認められたいという不遜な欲望に過ぎません。さらに言えば、自分は優秀でないことに無自覚なくせに、いつも優越感に浸っていたいというコンプレックスの裏返しなのです。

実際の世の中は、皆がそれぞれの専門分野で賢くなり、社会のために役立っているから成り立っているのです。それに気付かず自分1人だけ賢い者になろうと妄想するのは、子供でも分かる世の中の仕組みが分からない大馬鹿者なのでしょう。

　また、自分1人だけが賢ければ、そうでない人を操ることができます。しかし、自分よりも優秀な人が現れれば、逆にその命令・支配下に置かれる可能性があるため、足を引っ張るようなことをするはずです。

　これはビジネスの世界では珍しくありません。具体的には、得た情報に価値があればあるほど、情報共有しないで隠匿（いんとく）し、自分の利益のためだけにそれを利用するようになるのです。

このように、他人を認めたくないという嫉妬心にも似た欲望のある人物には、「あなたの優秀性は中途半端である。もっと他人から学んで自分を磨くようにしなさい」と、正しい方向に向かうように指導することを忘れないでください。