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森羅万象から学ぶ人生羅針「建設的な議論の無い会社」
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森羅万象から学ぶ人生羅針「建設的な議論の無い会社」

2025.01.01

森羅万象から学ぶ人生羅針「建設的な議論の無い会社」
 元住友銀行頭取・会長、経団連副会長を歴任し、「住友銀行中興の祖」と讃えられ銀行家・磯田一郎氏は、「会社が潰れる時は、馬鹿が仲良くしているか、利口が喧嘩をしている時だ」と述べています。

 馬鹿だの利口だのと、新年早々には相応しくない言葉ですが、実に皮肉たっぷりで、まさにこの通りだと思います。

馬鹿や利口という言葉による区分けはあまり好きではありませんが、分かりやすく言うと、馬鹿が仲良くしていることと、利口が喧嘩をしてこととの共通点は、建設的な議論がない状態なのです。

 建設的な議論とは、公正無私な姿勢で、腹蔵(ふくぞう)なく真に会社の未来を明るくするための方策を協議することです。しかし馬鹿が仲良くて、利口が喧嘩をしていると、真剣に言葉を交わすことなど夢のまた夢でしょう。

 馬鹿が仲良くしていれば、そもそも議論自体が起こり得ません。しかし、利口が喧嘩をすると、利口なだけに自分の意見が正しいと一歩も譲らず、膠着(こうちゃく)状態に陥り、これもまた建設的な議論からは程遠くなるでしょう。

 そうならないようにするには、企業トップから馬鹿を外し、利口にも「実は君も、頭が良いと勘違いしているだけなんだよ」と気付かせることです。馬鹿を外すのは簡単ですが、利口に「実は勘違いしているんだよ」と教えるのは難しいものです。

 また、利口のなかには理念先行型の人物が多いので、思い切って実践実証を最優先させ、その結果で評価しましょう。いずれにしても、建設的な議論の無い会社ほど未来に暗雲が垂れ込めていることにいち早く気付いてください。

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