森羅万象から学ぶ人生羅針「物事の監査役を育てる」
2023.11.12
森羅万象から学ぶ人生羅針「物事の監査役を育てる」
西武グループの創業者である堤康次郎氏は、「全員が賛成したら、その計画は危ない」と述べています。そしてこれは、多くの先人・先哲が異口同音に述べてきた有名な言葉でもあります。
なぜ危ないかという理由は、大きく分けて2つあります。1つ目は、その計画立案に携わる構成メンバーが、偶然にも同じ能力、同じものの見方、同じ価値観であり、誰1人として違う角度からの検証ができず、問題点を発見できないことです。
しかし、これはレアケースであって、一番顕著なのは2つ目の、「反対意見を言わせない空気」が蔓延しているビジネス環境にあります。その元凶がワンマン経営者です。
「俺が白いものを黒だと言ったら黒だ」ということを平気で口にする経営者の下では、少し前にご案内した「諫言をしてくれる部下は絶滅危惧種」で、問題があっても堂々と反対意見を言えないため、遅かれ早かれ問題が明るみに出ます。
そのためには、自由な意見を言える環境づくりだけでなく、登記上の監査役とは違う、あらゆる物事を公平にチェックしてくれる監査役を果たす人物も育てなければなりません。
そしてこれも少し前にご案内した「6W3Hに分割して解決する」に則って、計画の必要性は何か(why)、計画で提供される商品やサービスは優れているか(what)、担当者は適切か(who)、計画実行のベストタイミングはいつか(when)、顧客対象は誰か(whom)、どの市場で勝負するか(where)、どのような戦略・戦術を用いるのか(how)、利益はどの程度予想できるのか(how much)、どの程度の規模で事業展開するのか(how much)を、正しく検証してもらうのです。
このように、公平無私な物事の監査役さえいれば、「全員賛成」という現象は起こらなくなることを肝に銘じておきましょう。
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