森羅万象から学ぶ人生羅針「考えすぎは間違いの元」
2023.11.19
森羅万象から学ぶ人生羅針「考えすぎは間違いの元」
以前、江戸時代の儒学者・佐藤一斎の著書『言志四録』(げんししろく)に載っている、「人の賢否は、初めて見る時に於いて之を相するに、多く謬(あやま)らず」という言葉をご案内しました。人が賢いか愚かであるかは、直感という第一印象が、たいてい間違いないものであるという意味なのです。
同時に直感は、それまで蓄えてきた様々な情報、データ、知識などを、一瞬にしてまとめ整理し、内部分析して出した答えであり、ベテランの「長年の勘」も、それまでの経験で身につけた膨大な情報、データ、知識などを、無意識に瞬間的にまとめ上げた答えであると説明しています。
これを踏まえて、ドイツの文豪ゲーテは「感覚はあざむかない。判断があざむくのだ」と述べています。つまり感覚とは直感のことであり、その後に加えられた知識や情報によって、直感を上塗りしていった結果、判断に至るのです。
ゲーテは、その判断の元になっている知識や情報が、必ずしも正しいとは限らないので、むしろ感覚の方があてになると指摘しているのです。要するに、「下手の考え休むに似たり」同様に、考えすぎることは間違いの元になるわけです。
しかし当然ながら、直感に加えられた知識や情報が正しいことはたくさんあります。それでも、考え過ぎて直感とどんどんかけ離れていくならば、一度スタート地点に戻り、改めて直感を思い出してください。
そして、考えすぎは間違いの元と肝に銘じて知識や情報を吟味し、直感から遠ざかっていない結果を採用すれば、決して間違いにはならないはずです。やってみてください。
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