森羅万象から学ぶ人生羅針「肝心なものを確実に捕らえる」
2023.08.20
森羅万象から学ぶ人生羅針「肝心なものを確実に捕らえる」
高名な物理学者である寺田寅彦氏は、「いわゆる頭の良い人は、いわば脚の速い旅人のようなものである。人より先のまだ行けないところに行き着くことが出来るかわりに、途中の道程、或いはちょっとした脇道にある、肝心なものを見落とす恐れがある」と述べています。
頭の良い指導者は、他人が気付かない先の先までを読んで、それを元に指示を出すため、一般的な人には何を言っているのか伝わらないものです。
そんな頭が良い人は、自分より劣っていると思われる人を「何も考えていない」と勝手に思い込んでいるようですが、そんなことはありません。
確かに、頭の良い人に比べて、一般的な人は物事を理解するのは遅いかもしれませんが、その分、頭の良い人が興味を示さないものに関心を寄せていたり、同じ物事でも時間をかけてじっくり観察して、ちょっとした変化をしっかり捉えていたりしているものです。
寺田氏の言葉を言い換えれば、頭の良い人はいわば特急列車に乗って車窓から風景をながめているようなもので、瞬時に切り替わる景色の一部しか見えていないものです。時には、各駅停車に乗ってゆっくり車窓を覗いてみましょう。
少し前に、「見る景色を意図的に変えてみる」ことをご案内しましたが、そうすると、「へえ、こんなところにあんな建物があるんだ」「あの看板の会社はどんな商品・サービスを生み出しているんだ」などと、ビジネスチャンスとなるきっかけを拾い集めることができるのです。
確かにスピード感をもってビジネスに臨むことは大事ですが、なんでも速足で進むことはありません。時には周りの風景をじっくり眺めるほうが、肝心なものを確実に捕らえ、大いなる収穫があることを忘れないでください。
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