森羅万象から学ぶ人生羅針盤「きっぱりと断わるのは人助けになる」
2022.02.13
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「きっぱりと断わるのは人助けになる」
古代ローマの喜劇作家・詩人のプブリリウス・シルスは、著書『警句集』のなかで、「婉曲に断るのは、何かを承知したことになる」と述べています。
取引先に断わりを告げるときには、まず感謝を申し述べ、そのうえでその理由を告げ、「別の機会には必ず」などと、次につなげるようにするのがベストです。しかし、これも相手を見て判断しなければなりません。相手を気遣った言い方をすることで、逆に変な期待を持たせてしまうことがあるからです。
これには地域差もあり、例えば関西弁で「考えとくわ」「行けたら行くわ」は、「お断りする」「絶対に行けない」という意味ですが、関西の方同士なら成立するコミュニケーションかもしれませんが、他地域の方相手だと、誤解を招く可能性があります。
しかし、ストーカー被害に遭った女性が、ストーカーの男性を傷つけないようにする配慮で婉曲に断ると、「俺のことを十分に理解していない」などと自分勝手に思い込み、感情がどんどんエスカレートしていくのです。
また、昭和の時代には、いかがわしいセールスに対して「結構です」と断わりをいれたら、それを「素晴らしいですね」という承認・合意の意味に悪用され、一方的に商品を売りつけられるというトラブルが多発していました。やはり「不要です」といい、コミュニケーションを遮断するくらいで丁度よいのです。
シルスは、これを裏付けるように『警句集』のなかで「言下(げんか)にきっぱりと断るのは、大いに人助けになる」とも言っています。きつい言い方をすることで、自分が悪者になることを恐れて誤解を招くような言い方をするくらいなら、きっぱりと断って別な機会を探してもらうほうが相手にとってベターです。そうした配慮こそ大事であることを心掛けましょう。
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