森羅万象から学ぶ人生羅針盤「すべての人の命を無駄遣いしない」

2023.03.29

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「すべての人の命を無駄遣いしない」
　だいぶ以前の話になりますが、行政改革に熱心に取り組んでいたある自治体の首長（しゅちょう）が、来客に対して自分自身でお茶くみをしており、その理由は「事務員の人件費の無駄を省くためだ」と語っていました。

　しかしこれは、パフォーマンスめいた匂いがして違和感が残りました。なぜなら首長の給料は当然ながら事務員より高く、お茶くみに費やす時間があるなら、首長が本来やらなければならない仕事をしないと、結果として無駄遣いになるのです。

　多くの会社のトップが秘書を雇っているのは、高い責任と大きな成果を要求される仕事に集中するため、自分がやらなければならないこと以外を任せているのです。その方が重要な仕事に集中でき、大きな成果につながるからです。

　同時に、これまでに何回もご案内しているTime is Life、「時間は人生の一部」を思い出してください。他人に仕事を任せることは、その人の時間を自分が消費していることで、言うなれば人の命をいただいていることに他ならないのです。

　それであるならば、事務員や秘書の命を無駄遣いしてはいけません。それを防止するのは、その都度「あなたは現在どのような状況にあり、携わっている仕事は会社のため、他人のためになっているか」という成果を確認するのです。

　それを繰り返しているうち無駄が分かり、もっと有効な時間の活用法に気付くものです。同時に、首長や企業トップが本来やるべき仕事のコストも分かり、その有効性を高めるため、最新システムを導入したり、不必要な会議を省いたりできます。

そうすれば、すべての人の命を無駄遣いすることなく、最高のパフォーマンスが達成できることを忘れないでください。