森羅万象から学ぶ人生羅針盤「その都度初心に返る」
2022.11.23
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「その都度初心に返る」
以前、「初心忘るべからず」という言葉をご案内し、初心の重要性を示しました。元々は、能を大成した世阿弥の言葉であり、芸を始めた幼少のころに限らず、一人前になってもそのクオリティを維持するため、いつも志を身につけたころを忘れずに臨まなければいけないという意味なのです。
今では、この言葉は驕りを戒める意味で使われています。驕りをみせてしまいそうな時にこそ、初心に立ち返らなければならないからです。そしてそれを最も有効に作用させるには、言うまでもなく、その都度初心に返ることです。
人間がどうしても自惚れてしまう生き物です。そのため計画通りに物事が進むと、自分の能力を過信しがちになります。その過信が傲慢を生むのです。
もし成功しても、すぐさまあえて初心に返りましょう。そうして、成功のたびにその都度初心に返っていれば、少なくとも感謝の気持ちだけは忘れることがありません。
なぜなら、傲慢とは感謝の気持ちが欠如した状態であり、初心に返るたびに感謝の気持ちを確認することができれば、傲慢の落とし穴にはまることはないからです。
さらに、その都度初心に返ることを習慣づければ、成功の中に潜んでいるまぐれ当たりの部分にもいち早く気付き、冷静な目を向けて、まぐれ当たりがなくなるように改善し、成功に正しい根拠を求めることができるのです。
そして何よりも、謙虚で素直な姿勢が身に付き、それが人格を磨いて多くの人望を集め、さらなる成功の礎になるのです。まさにその都度初心に返ることは、PDCAサイクルのCとAの一番有効な使い方と心得て、ルーチンワークとして実践しましょう。
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