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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「アートという嘘に置き換える」
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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「アートという嘘に置き換える」

2024.06.21

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「アートという嘘に置き換える」
 スペインで生まれフランスで活躍した世界的画家のパブロ・ピカソは「アートとは、我々に真実を悟らせてくれる嘘である」と述べています。まさにその通りで、特に抽象性の高い難解な絵画は、一度見ただけではその絵が語りかけてくる真実に気付かないものです。

 それでも何回も何回も見るうちに、ちょっとした筆致の工夫に、壮大な意図が秘められていることはよくあります。ピカソの場合なら、その代表作の1つである『ゲルニカ』には、暴力や破壊、人民の抑圧、圧政の犠牲者、神の救済など様々な真実と希望が隠されているのです。

 その絵は、非常に漫画チックで、写実性の欠片もない嘘の寄せ集めです。しかしその嘘には、時の権力者に対する人民の怒りという真実が隠されています。むしろ漫画チックに描くことで人目を惹き、見る人に大いなる想像力を駆り立てるのです。

 一般に芸術は、それに触れた人が解釈すべきもので、よく「どういう意図で描かれたのですか」と質問する人がいますが、その答えは十人十色、千差万別です。しかし、描く側が何も考えていないわけではありません。ただ自由に解釈してくださいと言っているだけなのです。

 繰り返しになりますが、嘘というのは「決して写実的でない」という意味に過ぎず、そこには、作者が真実と信じているものが間違いなく込められています。その真実は、事実としてダイレクトに突きつけられるよりも、アートという嘘に置き換えた方が効果的に伝わることを強く認識してください。

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