森羅万象から学ぶ人生羅針盤「一流の人材ばかりを集めない」
2021.03.18
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「一流の人材ばかりを集めない」
松下電器産業創業者・松下幸之助氏の名言の一つに「一流の人材ばかり集めると会社はおかしくなる。世の中、賢い人が揃っておれば、万事上手くいくというものではありません。賢い人は、一人か二人いればたくさんです」があります。
一流の人材とは、高いクオリティを維持しながら、物事を進め、結果を出す人を例えて言っているのです。そういう人は必要ですが、何人もいると混乱します。
例えば、プロ野球チームの選手補強の失敗例などがよい例です。国内外から、一流の選手ばかりを集めたチームが、必ずしも優勝するとは限らないのです。そういう選手ばかりだと、各々の自我の強さが表れ、知らぬ間に組織内に不協和音が鳴りはじめ、チームワークが乱れるのです。
これに関連して、テレビのバラエティ番組でも、面白いことを言う人は少数で、あえて面白くないことを言う役割の人をメンバーに入れたりします。そうすることで、面白い人が、より引き立つからです。面白くないことも、重要な役割なのです。
また、一流の人が、指示・命令する立場の人という場合ならば、関連することわざに、「船頭多くして、船、山に上る」があります。
一艘の船に、複数の船頭がいたら、その船は、まるで山に登ってしまうような、おかしな方向に進んでしまう例えから、指示・命令する人ばかりが増えると、物事が見当違いの方向に進み、うまく運ばないのです(故事ことわざ辞典より抜粋・要約)。
やはり、会社経営も、野球チーム運営も、テレビ番組制作も、チームでものを考える以上、メンバーの能力、タイプ、向き不向きを理解し、適材適所を実行し、それぞれのモチベーションを高めなければなりません。
もちろん、物事を実行する場合、それぞれの立場において、役割の上では一流でなければならないことを、肝に銘じでおきましょう。
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