森羅万象から学ぶ人生羅針盤「不健全な美しさに惑わされない」
2025.06.07
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「不健全な美しさに惑わされない」
俗に絶世の美女や上級の遊女を「傾城(けいせい)」もしくは「傾国(けいこく)」と言います。城主や王様がその女性の美しさに夢中となり、文字通り城を傾ける、国を傾けるほどに腑抜けて、政道をおろそかにしてしまうからです。
このように、美しさには底知れぬ魔力が秘められているものです。異性に感じる美しさだけでなく、大自然が織りなす絶景や、名画の美しさにも同じことが言えましょう。しかしこれらは健全な美しさです。
健全な美しさが魅力の意外な分野に数学があります。数学科に在籍する学生にその動機を聞くと、口を揃えて「美しさに魅了されたから」と言います。
数学が美しいというのは、単純化された定理の清々しさでしょう。例えば完全数という数字があります。これは、その約数の合計がその数自体になるものです。
身近な完全数として6と28があります。6の約数は1と2と3で、これを合計すると6になります。また28の役数は1、2、4、7、14で、これもまた合計すると28になるのです。
しかし特徴はそれだけではありません。完全数は正の整数を順番に加算していくとそれになるのです。1+2+3=6であり、1+2+3+4+5+6+7=28なのです。私のような人間なら「へえ、面白いね」で終わってしまいますが、数学科の人は「美しい」と感激してしまい、どっぷりはまっているのです。
やはりどんな分野の美しさにも魔力があります。数学の美しさは健全ですが、傾城のように不健全な美しさにだけは惑わされないでください。
社長ブログ新着記事
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自分を軽々しく過大評価しない」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「個性を生かすことが自分を生かすこと」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「司令官と参謀の違い」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の善人との出会いを大事にする」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「現場を知ればより輝く」