森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人のために良い環境を維持する」
2022.07.11
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人のために良い環境を維持する」
前回に引き続いて、環境整備と人間教育についてお話しいたします。まず今回は「割れ窓理論」からお話ししましょう。
「割れ窓理論」は、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング氏が考案したもので、建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなくすべてが壊されるという考え方です(ウィキペディア〈Wikipedia〉より抜粋・要約)。
例えば、ニューヨークのスラム街に、新車と傷だらけのクルマを置いておいた場合、1日経っても新車は無傷のままでしたが、傷だらけのクルマは跡形もなく壊されていたという事実があります。人間は、汚いものはさらに汚しても構わないと思うもので、まさに「割れ窓理論」が実証されているのです。
軽い接触事故などで傷ついたクルマをそのままに放置しておけば、さらに壊してもいいという心理に発展します。しかし、すぐに修理に出しきれいな状態に戻せば、運転がより慎重になり事故防止につながるのです。もちろん修理代はかかりますが、お金の問題ではなく心の問題なのです。そして、修理にいくらかかったかを知ることで、物を大切にすることも学びます。
これに関連して、前回でも登場したカー用品チェーン・イエローハットの創業者・鍵山秀三郎氏は、東京・新宿の歌舞伎町において、土日の早朝より掃除運動を展開しました。最初は1人で始めたのですが、1年後には何百人という数の参加者を得て、空き缶やたばこの吸い殻が一切なくなり、ポイ捨てする人もいなくなったのです。
そして、仕事場であれば、単なる掃除ではなく環境整備を実現しましょう。それは心身ともに働きやすい環境に整えることです。人のために良い環境を維持しておきたいという姿勢で掃除をすれば、環境整備と人間教育が同時に実現できることを忘れないでください。
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