森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人望が人を動かす」
2021.09.07
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人望が人を動かす」
中国の歴史書『史記』のなかに「桃李もの言わざれども下自ら蹊(みち)を成す」という言葉があります。桃やスモモは何も言葉を発しませんが、美しい花を咲かせ、豊かな実を実らせるので、多くの人が集まり、その下には自然と道ができます。
つまり、人望のある人は、黙っていても、多くの人に支持されるという意味なのです。言い換えれば、人をして「この人にならついていける。いっしょに人生を歩みたい」という気持ちにさせるのです。ちなみに、安倍晋三前首相の母校・成蹊大学の校名は、この言葉に由来します。
そして、人望は言うまでもなく、人の上に立つ立場であれば、必ず身につけておかなければならない資質です。特に、中小零細企業のトップやリーダーは、人望なくして経営は成り立たないことを肝に銘じるべきです。
以前、中小零細企業の社員に対して「なぜ、その会社に勤めているのか」という理由を質問したところ、「経営者が個性的で、人間的にも魅力があるから」という回答が多かったという経産省の調査結果をご案内しました。まさに、経営者の人望によって、「ヒト」という経営資源が確保できているのです。
皆人生をかけて、ビジネスに臨んでいます。それなのに、トップやリーダーが、平気で嘘をついたり、相手によって態度を変えたり、言行不一致であったりすれば、誰がそのような人と、大事な人生を共に歩みたいと思うでしょうか。
中小零細企業は、大企業に比べて報酬も低く保証も薄い傾向にありますが、それでもその会社で頑張ろう、人生をかけてみようと社員が思う理由は、トップやリーダーの人望に他ならないのです。
まさに、人望は、経済的な利益よりも魅力があり、人を突き動かす大きな動機になることを忘れずに、全力で磨き上げていきましょう。
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