森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人間としての真の値打ち」
2024.12.20
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人間としての真の値打ち」
剣豪・宮本武蔵は、「富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間に媚びずに世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世の人が決めてくれる」という言葉を残しています。
これに関連して、以前、『荘子(達生篇)』にある故事「これを望めば木鶏に似たり」という言葉をご案内しています。闘鶏が、まるで木彫りの鶏(木鶏)のように、まわりの影響を受けることなく動じない状態を指しているのです。
また、中国・唐の時代の詩集『寒山詩』のなかにある、「八風(はっぷう)吹けども動ぜず」もご案内しました。この「八風」とは、人の心に迷いをもたらす8つの大きな原因である、「利」「衰」「毀」「譏(き)」「誉」「称」「苦」「楽」です。これらに惑わされることなく、不動心をもって一喜一憂せず、何事にも常に前向きに、冷静に謙虚に臨んでいくことが大事なのです。
武蔵は、それを富士山に例えました。霊峰富士は、皆が憧れる神々しさを備えながらそびえ立っています。まさにその美しさは、世間に媚びることから生まれたものではないため、その人為性(じんいせい)の無い部分に多くの人が憧れるのです
もちろん、物事には臨機応変に対応しなければならず、間違いであれば「君子豹変す」の如く正さなければなりませんが、内面にある確固たる信念はどんなときでも動かしてはいけません。
人間も富士山の様にあるべきだと武蔵は言うのです。そうした姿は徳を生みます。そして不動のままに佇(たたず)めば、世の中の人が認めてくれるのです。それこそが人間としての真の値打ちであると強く認識してください。
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