森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人間の行動は信用しない」
2022.05.10
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人間の行動は信用しない」
ドイツの哲学者ニーチェの言葉に「善とはなにか?人間において権力の感情と権力を欲する意志を高揚するすべてのもの」とも述べています。これはちょっと分かりにくいと思いますので、この権力という部分を強さに置き換えれば分かりやすいと思います。強くなりたいと思うことで弱さを跳ね除け、善であり続けられるのです。
そして、ニーチェは「悪とは何か?弱さから生じるすべてのものだ」とも述べています。基本的に根っからの極悪人はいないと思いますが、環境に支配・影響され、心の弱さから悪事に走ることが多いためです。また、強さは諸刃の剣で、強さを利用して悪に走ってしまう可能性も十分にあります。
これに関連して思い出されるのが、孟子が唱えた性善説と荀子が唱えた性悪説です。性善説によれば、人間の本性は善であり、悪くなるのは後天的な影響によるものであるとしています。一方、性悪説は人間の本性は悪で、知育、徳育などの正しい教育をもって人間性を矯正し、善に導くと考えるものです。
しかし、よく考えれば、人間の本性を善か悪かという二元論で考える前提自体が不自然だと思います。なぜなら、人間は置かれた状況に応じて、時には善人になり時には悪人にもなるからです。
誰でも心や経済的な面に余裕があれば、自然と他人にも優しくなれます。しかし、戦争や天変地異によって食糧がなくなれば、なりふり構わずに略奪行為に及ぶことも考えられるでしょう。このように、同じ人物でも状況によって正反対の行動をとる可能性があるのです。
やはり、根本的な善悪など存在しないのでしょう。人の人間性は基本的に、その時の状況で変わるもので、あくまで一時的な評価なのです。そして、それがもたらす人間の行動については信用してはいけないことを強く認識しましょう。
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