森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人間の資格とは」
2023.07.01
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人間の資格とは」
子供のころ観ていた時代劇『破れ傘刀舟悪人狩り』において、萬屋錦之介さん扮する主人公の蘭学医・叶刀舟(かのうとうしゅう)が、悪い奴らを次々に斬るシーンの前に「てめえら人間じゃねえや!叩っ斬ってやる!」という啖呵は、実に爽快な名台詞です。
この「人間じゃない」は、人でなし、人非人(にんぴにん)などの蔑称に置き換えられ、人間の心を捨て人の道から外れた行いを何の躊躇もなく平気でする冷血漢を指しています。「人間じゃない」のだから、人間としての資格がないと言ってもいいでしょう。
では、人間の資格とは何でしょうか。これについて、TBSラジオ『全国こども電話相談室』のレギュラー回答者であった禅宗の僧侶で教育者の無着成恭(むちゃくせいきょう)氏は「『人間としての資格』と書いて、最初と最後を読めば『人格』となる。それは人間の欲をコントロールすることである」としています。
さらに無着氏は「人間の欲をコントロールする原理が宗教であり、無宗教とは人格がない、人間でないということになる」とまで指摘しています。しかし、ここで誤解してほしくないのは、宗教を否定する唯物論者は人間ではないと言っているのではなく、「宗教心」を持つことの必要性を述べているのです。
以前ご案内していますが、「宗教心」について、ベストセラー『国家の品格』の著者としても知られる数学者の藤原正彦氏は「人知の及ばない何か偉大な存在に跪(ひざまず)く気持ちである」と示しています。そして、その「宗教心」が無ければ、人間は「自分は何でもできる」と間違いなく傲慢になるのです。
もし、自分が真っ当な人間として生きたいと思っているのであれば、人間の資格を取得するべく「宗教心」を持って人格を磨くことを忘れないでください。
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