森羅万象から学ぶ人生羅針盤「仕事には適正な報酬が支払われる」

2022.06.19

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「仕事には適正な報酬が支払われる」
少し前に、山口県阿武町が給付金4630万円を誤って振り込んだ問題で、電子計算機使用詐欺の疑いで容疑者が逮捕・起訴されましたが、ネットカジノで全額使ったとされる給付金の大半は、町側の代理人弁護士によってその大半が回収されました。

　しかし、これに関連して、弁護士費用が高いのではないかという趣旨のコメントを書いた新聞があったようです。代理人弁護士は、「弁護士費用は裁判所が認めた損害額（請求した全額とは限らない）の1割を上乗せして判決を認める」と、弁護士報酬の仕組みを説明し、「上乗せした弁護士費用については、町との間の交わした委任契約の金額ではない」としました。

　この弁護士は、ごく当たり前の基準で報酬を求めたのに、まるで「報酬が高すぎると容疑者からお金を回収できる可能性が低くなるので、値引きすべきである」という意見を述べるのはおかしなことです。

　もし、成功報酬とは別に弁護士費用の補填が発生しても、その責任はミスをした町側にあります。そして、その議論においても町側代理人弁護士は、一切責められるべき立場にはないのです。

　もちろん、人の弱みにつけこんで、足元を見るような法外な要求は非難・否定されてしかるべきですが、普通に認められるレベルの要求に対して、感情的になり否定するような正義感は、ただの暴力に過ぎません。

ボランティア活動でない限り、いかなる仕事にも適正な報酬が支払われるものです。肝心なことは、その金額に見合う債務を的確に果たし依頼者を満足させることです。改めて、それが仕事の本質であることを肝に銘じておきましょう。

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