森羅万象から学ぶ人生羅針盤「信じられなければ徹底的に調べる」
2025.04.21
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「信じられなければ徹底的に調べる」
イギリスの政治家ベンジャミン・ディズレーリ氏の言葉に「嘘には3種類ある。嘘と酷い嘘、そして統計である」があります。
嘘と酷い嘘の違いは、悪意の有る無しでしょう。詐害行為などに代表される酷い嘘は論外ですが、手術の成功率が低い病気に罹患した友人に、「大丈夫。手術は100%成功する。君なら間違いなく治る」という励ましは良い嘘で、決して責められるものではありません。
そして統計の嘘ですが、単なる杜撰な調査結果と、「日本語としては間違っていないが実態に即していない」ものです。
杜撰な調査結果が無価値なことは言うまでもないことですが、「日本語としては間違っていないが実態に即していない」例として、例えば「日本人の67%は、昼食にカツ丼を食べている」という統計調査を信じるでしょうか。
その実態は、3人の日本人男性が食堂で昼食を食べた際、1人がラーメンを、2人がカツ丼を食べたことを、割合に置き換えただけなのです。まさに巧妙な言葉のマジックです。
戦後、内閣総理大臣を務めた吉田茂氏が、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥に対し、アメリカに食糧支援を要請しました。しかし日本の要求(450万トン)の6分の1以下(70万トン)しか支援されなかったにも拘わらず餓死者が出なかったことに対し、マッカーサー元帥は「日本の統計はいい加減だ」とクレームを言ったのです。
それに対し吉田氏は、「当然ですよ。もし日本の統計が正確だったら貴国相手に戦争などいたしません」とユーモアで返したという有名な話があります。
冗談やホラ、励ましであれば良いですが、もし怪しい、信じられないと少しでも思ったら、決して信じることなく徹底的に中身を調査し得心を得てください。
社長ブログ新着記事
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「信じられなければ徹底的に調べる」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針「神経質とは極めて注意深い」
-
私が考える造語「一源愛誠」(いちげんあいせい)という言葉
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「米不足にみる時代の変化」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「コンピテンシー評価を忘れない」