森羅万象から学ぶ人生羅針盤「信用は連鎖する」
2022.05.09
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「信用は連鎖する」
中国の『後漢書』の中の故事に「赤心(せきしん)を推して人の腹中に置く」があります。赤心とは、真心、誠意の意味です。そしてこれは、後漢王朝の初代皇帝・劉秀(りゅうしゅう)が、降伏してきた敵を信じて、武装したり護衛をつけたりすることなく、敵方の各部隊を見回ったエピソードに由来しています。
投降してきた兵は、通常なら「捕虜にされて、その後何されるか分からない」と不安に駆られ、決して相手を信用することなく、場合によっては隙を見てゲリラ的な行動に出ても不思議ではないのです。
しかし、劉秀は敵を信じて、まるで味方の軍隊の中にいるような、普段と変わらない行動に出たため、そんな姿に感動した味方や敵方の兵は、「安(いずく)んぞ死を効(いた)さざるを得んや」となりました。つまり、この人のためなら死んでも良いという気持ちになったのです。
人に「この人物は信用できる」と認識させるには、まず自分の方から偏見のない観察眼を持って、立場の違いや老若男女を問わずに、分け隔てなく人に会うことから始めましょう。そして、「この人はなぜそういうことを言うのか、そういう行動をとるのか」を探ることによって、その人の本質を見極める直感力を養う訓練をするのです。
そうして、信用できる相手を確信したら、心の具足を外すのです。その気持ちは間違いなく相手に伝わります。まさに、心から人を信用する姿には、多くの人の信用を集めるものなのです。このように、信用は連鎖するものであることを忘れなければ、一生付き合える人間関係を構築できることを肝に銘じておきましょう。
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