森羅万象から学ぶ人生羅針盤「健全な欲望を最小限に厳選する」
2022.12.04
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「健全な欲望を最小限に厳選する」
中国の元の時代の仏教書で、多くの禅の言葉を収めている『従容録(しょうようろく)』に「禍は慎家(しんか)の門に入らず」があります。これは文字通り、慎ましく暮らしている家は災禍に見舞わないという意味です。
そして、これを裏付ける良く知られた言葉に「欲をかくと失敗する」があります。慎ましさの反対語は欲深さですが、人間は欲深くなると冷静さを失い油断が生じるからです。その油断が危機管理の欠如をもたらします。
広い意味で危機管理とは、不幸やトラブルに見舞われないように事前に手を打っておくことです。自分は言うに及ばす、家族や仕事先で、少しでも禍の芽が伸びて来たら、その場で摘んでおかないと、場合によっては取り返しのつかないことになります。
その典型例がギャンブルや投機です。これには一切手を出すべきではありません。なぜなら多くの著名人が指摘するように「博打で儲かるのは胴元だけ。だから儲けるコツはズバリしないこと」がギャンブルの本質だからです。
投機も同様に、この世に「美味い儲け話」などは存在しないのに、自分のケースだけは違うと信じてしまうことで大失敗するのです。
老子の言葉に「足るを知る者は富む」とあるように、今あるものだけで満足することを知っている人は真に豊かな人間ですが、以前ご案内したとおり、健全な欲望を動機とする努力は決して恥ずかしいものではありません。それによって人は成長するからです。
しかし、孟子の言葉の「心を養うは寡欲(かよく)より善きはなし」のとおり、人の心を育てるには、寡欲(欲望が少ないこと)が一番です。まさに、健全な欲望を最小限に厳選することを実行すれば、決して災禍に見舞わないことを肝に銘じておきましょう。
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