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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「善人になる努力に価値がある」
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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「善人になる努力に価値がある」

2022.10.01

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「善人になる努力に価値がある」
 以前、浄土真宗の開祖・親鸞聖人の言葉をまとめた『歎異抄(たんにしょう)』のなかにある有名な一節「善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」をご案内しました。

これは「善人は救われる。悪人なら尚更救われる」という意味で、「自分はダメな人間である。つまり悪人である」と気付いた人ほど、より仏様の救いの手が差し伸べられるという意味なのです。もちろん、本人の努力は必要不可欠です。

 これは、浄土真宗の教義の中にある「悪人正機(あくにんしょうき)」という思想に由来するものです。もちろん、ここで言う悪人とは、法的な犯罪者ではなく、物事の道理を知らない人であり、善悪の判断すらできない、根源的な意味での悪人です。

 そして、「悪人ほど救われる」ことに関して、古代ギリシャの政治家クリティアスは、「生まれつきの善人よりも、努力してなった善人のほうが多い」としています。つまり、自分は悪人であることを認識して、努力の末に善人に至った人がほとんどだということです。

 そういうことならば、多くの悪人にも、「自分も努力次第で善人になれる。だから希望を捨てずに努力しよう」という励みにもなるというものです。

 それに、なによりも善人になる努力そのものに価値があります。つまり、努力して善人になった人は、その過程で間違いなく周囲の人に功徳を与えているからです。そしてその功徳こそ、仏様の教えに基づく善人の証明なのです。

改めて、善人になる努力そのものに価値があることを認め、自分だけでなく他人に対しても大いなる価値創造に努めましょう。

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