森羅万象から学ぶ人生羅針盤「嘘が連鎖し収拾がつかなくなる」
2024.03.19
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「嘘が連鎖し収拾がつかなくなる」
精神分析学の創始者ジークムント・フロイトは、「最初の言葉で譲歩すれば、その次には段々と事実について譲歩してしまうものだ」と述べています。この譲歩という言葉を嘘に置き換えるとより分かりやすいでしょう。
よく嘘が上手な人は、その嘘をあたかも実体験のように自分の頭に刷り込むので、嘘発見器にもかからないと言われています。そして、嘘の上手な人になればなるほど、自分がついた嘘をきちんと記憶しているのでバレないのです。
しかしそれでも物には限度があります。いくら記憶力の良い人でも、自分が付いた嘘のすべてを覚えているわけではありません。それに対して周囲の人は、その人がついた嘘を意外にしっかり覚えているものです。
そのため「あれ?その話、この間聞いた内容とは違うようだけど……」と指摘されると、嘘をついた人は一瞬にして頬と耳が赤くなり、慌てて「いやそれは……」と更に嘘を塗り固めていくのです。
ビジネスシーンで多いのが、お得意様によく思われたい一心で、なんでも受諾してしまい、いつの間にかダブルブッキングしていたり、躍進の「規定業務」のようなルールに無いようなことまで自分の一存で約束したりするケースです。
嘘ではなく物事を大げさに言う単なるホラ話なら聞いていて面白いだけで済みます。しかしもし、人を傷つけたり、会社に大きな損害を与えたりするものであれば、確実に処分しなければなりません。企業トップは、嘘というものは必ず連鎖し、放っておけば収拾がつかなくなることを肝に銘じておきましょう。
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