森羅万象から学ぶ人生羅針盤「型から学んで本質を知る」
2021.08.09
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「型から学んで本質を知る」
古代ギリシャの哲学者プルタルコスの言葉に「髭は哲学者をつくらない」があります。著名な哲学者の多くは、豊かな髭をたくわえていますが、その見た目だけをいくら真似ても、思考の中身にまでたどり着くことは絶対にないからです。
もちろん、決して外見を真似るなとは言いませんが、まず真似るべきは、その外見を形作っている行動なのです。そうすれば、同じ外見を真似るにしても、いつの間にか中身にまで理解が及ぶようになるのです。
その典型例は、型を学ぶことです。武道や芸事の稽古は、型を学ぶことが主体であり、型から入れば、いずれ本質にたどり着くのです。型を何回も繰り返すことで、最初のうちは理解できなくても、その繰り返しの中から多くの情報を得て、本質を理解できるようになるのです。
以前、兼好法師の「偽りても賢(けん)を学ばんを、賢というべし」という言葉をご案内しています。たとえ、本心でなくても、賢い人の真似をしようとして学べば、それは賢い人といってよいという意味で、最終的には間違いなく本質を知ることにつながるからです。これはまさに、型を学ぶことに通じるのです。
また、型を学ぶことは、ビジネスにも役立つことは言うまでもありません。特に、ビジネスマナーなどは、まさに型から学んで本質を知るものです。
挨拶をはじめ、名刺交換、電話やメールのやり取り、言葉遣い、文書作成などは、まさに上司や先輩社員が実践している型を学んで身につけるものなのです。美しいスタイルが身に付くと同時に、この型にはこういう意味があるということを理解できるのです。
職場に憧れの上司や先輩がいても、その人の髪形や服装のセンスを真似る前に、仕事への取り組み方を含めて、まずその行動を型として学び、本質を身につけなければならないことを忘れないでください。
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