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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「多角化はリスペクト第一」
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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「多角化はリスペクト第一」

2022.10.29

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「多角化はリスペクト第一」
 経営学者P.F.ドラッカー氏は、その著書『マネジメント』のなかで、多角化について興味深い指摘をしています。それは「大手製薬会社の多くが化粧品や香水に多角化したが、いずれも成功していない。製薬会社というものが、化粧品や香水を心底大事に思っていないからであろう」というものです。

 確かに、「餅は餅屋」ということわざの通り、その道の専門家の仕事が一番です。多角化するにしても、専門的な知識や技術がなければスタートできませんし、成功することは難しいと思われます。

 しかし、ドラッカー氏は、それと同時に体質が一致することの重要性を指摘しているのです。体質の違いは価値観の違いであり、価値観が違うと、多角化する業種を価値あるものと断定できない場合があるからです。

冒頭の例で言えば、製薬会社にとって化粧品などは、薬品に比べて必要性が低い嗜好品にしか思えず、おのずから軽く見てしまうので、市場で認められるようなレベルの商品を生み出すことができないのでしょう。住宅業界でも、基礎工事や建方は重要ですが、防水工事は大したものではないという価値観を持って多角化すれば、失敗する可能性は大きいと言えます。

やはり、多角化を検討する際には、M&Aなどの手段や人事などを考える前に、多角化する仕事に対してリスペクトできるかどうかを第一に確認しましょう。オリジナル業種同様に惚れて、同じくらい重要であるという価値観がなければならないことを忘れないでください。

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