森羅万象から学ぶ人生羅針盤「大きな愛で包み込む」
2021.06.19
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「大きな愛で包み込む」
『三国志』に登場する諸葛亮孔明にまつわる故事に「七縦七擒(しちしょうしちきん)」があります。
孔明が、敵将の孟獲(もうかく)を捕らえては逃がしてやることを7回繰り返した末に、孟獲を心から心服させたということに由来します(小学館デジタル大辞泉より)。
そして、これは「用兵の道は、心を攻むるを上と為し、城を攻むるを下と為す」という言葉につながるのです。
戦いは、人の心を攻めるのがよく、城を攻めるのはよくないという意味で、まさに孔明は、孟獲の心を攻め、敵対しないようにすることに成功するのです。
そして、孔明は、さらに攻め落とした地を治める際も、自軍を駐留させることなく、あえて人望の厚い現地の人間を登用しました。
通常であれば、軍をそのままに配置し、自らの部下による統治を実行するのですが、それではコストもかさみ、再び人心が乱れたときに、反乱がおこる可能性があります。
それを防ぐために、地元の人間を重用し、攻め落とした地の民の支持を得たのです。まさに、人の心をとらえ、人を生かすことの手本ともいうべき手法と言えましょう。
これは、現代のビジネスにおいても、既にあちこちで用いられている手法です。
例えば、M&Aなどでは、吸収した会社の役員を追放するのではなく、そのままに登用することは、良くある話です。
つまり、その会社における人心を一つにまとめ、運営をスムーズに行うには、そうすることがベストだからです。
敵の中にも、優秀な人材は豊富にいます。それを、単に敵対しているという理由だけで活用しないのは、損失につながるのです。
人材活用は、人を大きな愛で包み込むことなのです。そうすることで、人の心を掴み、人を動かすことができ、ひいてはビッグビジネスを成し遂げることにつながるのです。
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