森羅万象から学ぶ人生羅針盤「大局を見失わない」
2021.07.12
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「大局を見失わない」
「水清ければ魚棲まず」という有名な故事があります。詳細は、中国の『宋名臣言行録』にある「水至って清ければ則ち魚なし。人至って察なれば則ち徒なし」というものです。
水に一切の濁りがなく、過度に清冽であると、かえって魚は棲まないもので、同様に人格が清廉潔白すぎると、逆に人から好かれないという例えなのです。
以前、見た目だけでなく、中身も清潔な人は、誰からも好かれることをご案内しました。確かに、清潔なことは皆が評価してくれますが、それでも清潔すぎてはいけないのです。
清潔すぎる人の代表的な短所として、他人の小さな不正を許せないことがあげられます。しかし、人を指導する際に、些細なことまでを咎めては、息苦しさを感じさせ、逆効果になることもあるのです。
前述の『宋名臣言行録』においても、物資の横流しをする水運担当者に対する措置として、皇帝は「小人(つまらない人)のやることを、いちいち取り締まっていても、後から同じことをする者が次々と現れるだけである。必要以上に厳しく取り締まることなく、肝心な水運が順調に稼働するように心がけよ」と指導したと言います。
瑣末なことには、大きな気持ちをもって対応すればよいのです。そして、物事の根幹に関わることには、決して曖昧な考え、対応をしないことです。つまり、大局を見失わないことが最も大事なのです。
「角を矯めて牛を殺す」ということわざもあるように、小さな悪は殊更に問題にしないほうが、物事は上手くいくのかもしれません。
大事なのは大局です。大きな問題だけは決して見逃さず、人の指導において緩急のバランスを確保すれば、組織運営に良い結果をもたらしてくれるので
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