森羅万象から学ぶ人生羅針盤「大義名分とは守るべき正しい道」
2022.05.23
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「大義名分とは守るべき正しい道」
短期集中連載2回目は「大義名分の悪用」についてお話しします。
あらゆる人の行動には大義名分があります。そして企業経営にも、自社が提供する商品やサービスを通じて、人々の暮らしを豊かにするため、世の中に貢献しようという大義名分があります。
しかし、そんな大義名分にはいくらでも悪用できる危険性が潜んでいます。例えば国家が「安全保障上極めて憂慮すべき問題が発生した」という大義名分を掲げて、先手必勝とばかり他国に戦争を仕掛けることも十分可能なのです。
ロシアがウクライナに侵攻した大義名分は、前回ご説明した「ウクライナ領土にいるロシア人をナチズムから守る」ことと、NATOの拡大に伴う「安全保障上極めて憂慮すべき問題が発生した」ことです。
しかし、NATOはロシアに対して何もしていません。それなのに「安全保障上極めて憂慮すべき問題が発生した」を大義名分とするのは間違いです。それは「言いがかり」という言葉が適切です。
ロシアのウクライナ侵攻によって、日本でも核保有の是非に関する議論が高まりつつありますが、仮にそれに関する動きを少しでも見せただけで、ロシア、中国、北朝鮮などは口を揃えて「安全保障上極めて憂慮すべき問題が発生した」という大義名分を掲げ、何をしてくるかは想像に難くないことでしょう。
そもそも大義名分とは、辞書的な意味では「人として、また臣として守るべき道義と節度。行動のよりどころとなる道理。また、事を起こすにあたっての根拠」となります(大辞泉より抜粋・要約)。まさに、大義名分とは守るべき正しい道にほかならないのです。
そして、その本来の意味から外れた大義名分は、もはや大義名分ではありません。国家は言うに及ばず、世界中すべての人はそれを悪用してはならないことを肝に銘じてください。
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