森羅万象から学ぶ人生羅針盤「大量殺人をする英雄などいない」
2025.06.18
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「大量殺人をする英雄などいない」
世界の喜劇王チャールズ・チャップリンが制作・監督・脚本・主演を務めた映画『殺人狂時代』の中の「戦争や紛争、これは全てビジネス。1人の殺害は犯罪者を生み、100万の殺害は英雄を生む。数が(殺人を)神聖化する」は、映画史に残る名台詞です。
主人公は殺人を犯して死刑判決を受けますが、死刑台に上る前に、皮肉を込めてこのセリフを言うのです。さらにもっと言えば、「(軍人やそれを後押しする軍需産業に比べて)大量殺人者としては、私などアマチュアだ」「(軍需産業に代表されるように)殺人はビジネス、(私が犯した殺人程度の)小さい規模ではうまくいかない」とまで言っています。
これに関連して、中国の作家・思想家である魯迅は、「戦場に出るなら軍医になれ。革命運動をするなら後方支援に回れ。止む無く人を殺す役割を担わなければならないのなら首斬り役人がよい。そうすれば安全な立場で英雄になれる」と述べています。
確かに軍医は鉄砲を撃ちません。革命運動の後方支援者は物資を運搬するなどの仕事に従事するだけでよいのです。首斬り役人は、犯罪者の死刑執行に携わっただけで、罪の無い人を殺害するわけではないのです。
しかし、軍医も後方支援者も首斬り役人も、戦場の安全地帯にいるだけなのに、英雄の仲間入りを果たせます。まさに大量殺人をしない英雄なのです。自分は罪なき人の殺害を実行していなくても、冒頭の台詞である100万の殺害が生んだ英雄の1人に数えられるのです。
イスラエルやウクライナでの戦場を見るたびに心が痛みます。そして100万の殺害者は英雄ではありません。大量殺人をする英雄など絶対にいないことを全世界の人は共通認識をして持つべきです。
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