森羅万象から学ぶ人生羅針盤「学問をする人のあるべき姿」
2025.04.24
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「学問をする人のあるべき姿」
安政の大獄(江戸幕府が行った弾圧)で、25歳で死罪となった江戸時代末期の思想家・橋本左内は、「学問とは、人として踏み行うべき正しい筋道を修行するものであって、技能に習熟するだけのものでは決してない」と述べています。
そもそも学問の値打ちは、人の幸福実現に他なりません。その幸福の種類も十人十色、千差万別ですが、それぞれの分野で学問が何らかの働きを示して、幸せの実現に貢献しています。
技能習熟は繰り返し行えば誰でも身につきます。技術に関する資料もそのまま読んで頭に叩き込めば良いのですが、それを世の中に正しく役立てるには、それを実行している正しい先輩の「背中」を見て学ぶのです。
そしてちょっと飛躍しますが、「先輩の『背中』を見て学ぶ」については、芸能人の修業の「芸は盗め」に通じるのではないかと思うのです。歌手や俳優、落語家などは、先輩が演じている姿を、舞台袖やスタジオの隅で見て、その間(ま)、テンポ、感情表現をしっかり凝視しています。
セリフは紙に書いてあるのでそのまま覚えればいいのですが、間(ま)、テンポ、感情表現だけは、尊敬し目標とする先輩の芸から「盗む」ように真似をして、守破離しながら学んでいくのです。
学問に勤しむ人の場合、正しい先輩の「背中」には世の中に正しく役立てる姿が映しだされています。その姿勢も「盗む」対象なのであることを忘れてはいけません。特に医学や工学のような実学は、まさに「人として踏み行うべき正しい筋道」の上に成り立っているのです。
学問から心を無くせば、幸せを求める気持ちも同時に消えます。学問をする人のあるべき姿とは「人として正しいかどうか」を考えながら学んでいくものと強く認識してください。
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