森羅万象から学ぶ人生羅針盤「専門家に呑まれない」
2025.05.08
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「専門家に呑まれない」
読売新聞社社主、日本テレビ放送網代表取締役社などを歴任した実業家・正力松太郎氏は、「専門家というものは全体の関係は見ていない。専門家の知識は使うべし。それに呑まれてはいかん」と述べています。
企業トップなら、スペシャリスト万能を許すことなく、ゼネラリストの視点を持って、スペシャリストを使いこなすべきであると考えて良いでしょう。専門家は自身が専攻している分野に自信を持っているため、専門家たる称号を名乗れるのですが、あくまでその分野に限った評価にすぎないのです。
元財務官僚であったある経済学者(計量経済学専攻)は、東大理学部数学科を経て同大学経済学部に学士入学し、その後大蔵省(現財務省)に採用されますが、同僚の東大法学部出身官僚を「ド文」と揶揄しています。
要するに数学的センスがないため、数学を用いれば簡単に答えが出せるものを理解できなかったからです。退官後はますます文科系批判を強めていますが、この経済学者には数学科出身者の悪い点が出ているように思います。
数学をこよなく愛する人に共通している部分は、「答えが1つになり美しいから」というものです。しかし、現実の世界では答えが1つであることはめったにありません。いくつもの答えのなかからTPOに合わせて最適解を採用するのが実際の人間生活なのです。
ここで冒頭の「専門家というものは全体の関係は見ていない」という言葉の意味が見えてきます。こうした専門家に呑まれては、現実に即した施策を打ち出すことは難しいので、けっして呑まれることなく使いこなしてください。
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