森羅万象から学ぶ人生羅針盤「心の底から相手を思いやる」
2023.01.04
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「心の底から相手を思いやる」
『論語』に「唯(ただ)仁者は能(よ)く人を好(よし)み、能く人を悪(にく)む」があります。仁者、つまり人徳のある立派な人とは、他人に対して真の愛情を示すことができ、同時に悪い部分についてもきちんと否定できるものです。つまらない人のように、自分の好き嫌いを優先して人を評価することなく、常に公平無私なのです。
ここで改めて、仁とはどういうものかを考えてみましょう。最も分かりやすく言えば、他人への思いやりですが、日本大百科全書(ニッポニカ)によれば、中国倫理思想の重要概念で、孔子は仁をもって最高の道徳とし、日常生活に遠いものではないが、容易に到達できぬものと考えたといいます。
仁を備える修業を表す典型的な言葉は、「己れの欲せざるところ、これを人に施すなかれ」でしょう。思いやりがあれば、自分が嫌がることを他人にするはずがなく、礼儀をもって接することができるのです。
そして、人から仁者と慕われるような指導者になるには、やはり多くの人に会い、その人の良いところや悪いところに触れて適切に評価することです。
具体的には、悪い部分を3割、良い部分を7割の配分で指摘することです。しかも、最初に悪い部分を指摘し、その後に良い部分をたくさん褒めれば、相手は決して嫌な気分になることはありません。
それどころか、褒められたことが強く印象に残り、それがきっかけで最初に指摘された悪い部分を改めようと心がけることにもつながるのです。これは、効果が非常に高い指導法とされています。
それは、心の底から相手を思いやっているからです。相手を善の方向に導き、自らも少しでも仁者に近づこうと努力してください。
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