森羅万象から学ぶ人生羅針盤「必ず実在するか確かめる」
2023.12.25
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「必ず実在するか確かめる」
今回は、この『森羅万象から学ぶ人生羅針盤』でもあまり取り上げてこなかった数学のお話からスタートし、そこからビジネスのヒントを得たいと思います。
政治学者の小室直樹氏は、学生時代は数学を専攻していました。その素養を活かして計量経済学や理論経済学を学び、さらに政治学に進出して、在野の政治学者として大いに認められた経歴の持ち主です。
その小室氏が著書の中で、「存在しないものに対していかなる命題も成り立つ」、つまり何を言ってもよいという、非常に興味深い発言をしております。
その著書では、ある人物が友人に「私の妹が君のことを好きなんだ」と言うのですが、実はその人物に妹なんかいないのです。当然友人は「馬鹿にしているのか」と怒るか、その人物には虚言癖があると思はずです。
ここで注意しなければならないのは、あくまで“数学的”に考えた場合ということです。むしろ実際に妹がいて、その上で嘘をつけば問題になります。ところが、“数学的”に考えた場合、存在しないものには何でも言えてしまうので、こうした考えを利用した詭弁を弄する人物が後を絶たないのも事実です。
高利貸しの常套手段の1つに「資産家のお客様を紹介する」「高価な物を安く譲渡するから転売して儲ければ良い」があります。しかしそんな人や物は最初から存在しておらず、返済を引き延ばして利子を膨らませ、担保物件を押収することが目的なのです。
ビジネスにおいては、数学的に正しくても、道義的、法的に間違っているものは一切認められません。前述のような場合、そうした人物や物が実在し、確かな意思と根拠を持っていることを確かめないと、とんでもない火傷を負うことになると肝に銘じてください。
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