森羅万象から学ぶ人生羅針盤「悪知恵を上回る有用な知識」

2024.03.20

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「悪知恵を上回る有用な知識」
　フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトの言葉に、「最も堅固な決心は最も有用な知識である」と述べています。堅固な決心というものは、当たり前の話ですが思い付きなどと言う軽々しいものではありません。

　そんな堅固な決心に至るまでには、数々の検証プロセスがあったはずです。その検証プロセスを確かなものにしているのは正しいエビデンスであり、それが「最も有用な知識」を形作っているのです。

　これはビジネスでも同じです。企業トップが最終的な決断を下す際に、最も頼りにしているのは確かな専門的知識と、それを有効に生かす兵法、つまり考え方に他なりません。それが説得力を生み出し、6つの経営資源であるヒト、モノ、カネ、知恵、情報、時間のうち、ヒトを動かし知恵のもとになるのです。

　特に前述の兵法は重要です。いくら専門的知識があっても、それをどのように生かすかを知らなければ、宝の持ち腐れになります。そしてその代表が、法律の運用です。これは法律そのものではなく、それを如何に運用するかという方法論なのです。

　よく誤解される主張に「法律は弱い者の味方である」がありますが、実態は「法律はその運用法を熟知している者の味方である」が正しいのです。世の中には「罰則規定のない禁止事項なら守る必要がない」として、平気で違法行為をする人がいますが、まさに運用に長けている証拠です。

　もっと悪く言えば、「法を犯しても裁判で勝てばいい」と開き直る人もいるくらいです。ビジネスの世界は決して甘くありません。こんな人は石を投げれば当たるほどに実在します。強固な決心とは、そんな人の悪知恵を上回る有用な知識であることを忘れないでください。