森羅万象から学ぶ人生羅針盤「情報公開が人権を守る基本」
2022.09.06
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「情報公開が人権を守る基本」
旧ソビエト連邦(以下旧ソ連とする)初代大統領ミハイル・ゴルバチョフ氏追悼特別投稿最終回の第3回目のテーマは「グラスノスチ(情報公開)」です。ペレストロイカ(建て直し、再建)の一環として展開された極めて重要な情報政策で、これもゴルバチョフ氏の代名詞の1つです。
ゴルバチョフ氏がグラスノスチを断行した最大のきっかけは、1986年4月に起こったチェルノブイリ原子力発電所事故でした。この当時、旧ソ連共産党書記長であったゴルバチョフ氏の元には、情報が迅速に届かなかったのです。
そのためゴルバチョフ氏は、情報を正しく公開することで真の民主化を実現しようと、それまでの政治体制に批判的であった学者や文化人を開放し、各種メディアにも体制に批判的な報道を認めたのです。その結果、共産党幹部の汚職まで明らかになったとされます。
これに関連して、ゴルバチョフ氏の妻・ライサ夫人は、「かつての私は『事実と歴史は不変のもので、反駁(はんばく)できない』と思っていました。しかし実際は、歴史家が見たいと思う歴史だけが書かれ、事実さえも歪められることが、今は、わかりました」と語っています(9月2日付聖教新聞より抜粋)。
現在、ロシアはウクライナ侵攻において様々な情報操作を行っています。まさにロシアの時計は、旧ソ連の暗黒時代に逆戻りしているといっても過言ではないしょう、
ゴルバチョフ氏は、「この世は一冊の美しい書物である。しかしそれを読めない人間にとっては何の役にも立たない」と述べています。正しい情報がもたらされなければ、有用な真実は無価値に等しいということです。
改めて、ゴルバチョフ氏が実行した情報公開が人権を守る基本であることを強く認識しましょう。
そして、ゴルバチョフ氏のご冥福を心からお祈り申し上げます。合掌。
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