森羅万象から学ぶ人生羅針盤「愛は不言実行でこそ真意を発揮する」
2024.12.25
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「愛は不言実行でこそ真意を発揮する」
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、「愛というものは、愛されることよりも、むしろ愛することに存すると考えられる」と述べています。これはアリストテレスに限らず、多くの先人先哲が異口同音に述べている言葉です。
しかし、愛にもいろいろな種類があります。特に父親は「罰を与える愛情」を与えないと、子供は糸が切れた凧のようにどこに飛んでいくかわかりません。心を鬼にして一人前の人間にするために厳しい罰を与えてこそ真の愛情なのです。
ここで鬼手仏心(きしゅぶっしん)という言葉を思い出してください。これは元々外科手術を意味する言葉でした。メスでお腹を割くなどは、まさに鬼の手の所業です。しかしそこには、病気を治すという仏様の心があるのです。
そこから発展してもう1つの意味が生まれました。根っこに愛情がある厳しさです。人のことを思い、心を鬼にして躾けるために叱るのと、感情的に怒るのはまったくの別物です。ですから、相手に好かれようが嫌われようが関係なく、とことん自分の信じた厳しい愛を与えるのです。
しかしここで、「あなたのために言って(やって)あげているんだから」などと言ってはいけません。恩着せがましく聞こえるだけでなく、「お為ごかしの言い手はあれど誠実意(まことじつい)の人はなし」と言われるように、結局は自分のために利用しているんだと誤解されます。
まさに、愛は不言実行でこそ真意を発揮することを肝に銘じておきましょう。
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