森羅万象から学ぶ人生羅針盤「感動はさせるものではない」
2024.06.28
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「感動はさせるものではない」
一般に名作小説を読んで感動した、生き方に良い影響があったなどという話はあちこちで聞きますが、本当のことを言えば、書き手の小説家は、そんな大それたことを読者にしてやろうなどとは思っていません。
なぜなら小説は、ある1つの事柄を、別な事柄に置き換えただけに過ぎず、そこには何か感動を与えようとか、人生の道標(みちしるべ)にしてやろうなどという要素は含まれていないからです。
もちろん、書き手が何も考えずに書いているわけではないので、ちゃんとした意図はあるでしょう。しかしそれは、読む側が勝手に感動したり、呆れかえったりしているだけで、時には作者の意図とはまったく違う受け取り方をされます。
これは絵画や音楽、映画などの他の芸術も同じです。ある巨匠と呼ばれた映画監督は、「この映画は何を伝えようとしているのですか」という記者の質問に、「そんなことは観客が決めることだ。もし私が言いたいがあれば紙に箇条書きにして書く」と答えていました。
小説でも映画でも、自分の知らない世の中のあり様(よう)に触れることで良い作用が働けば、より良い生活を実現するきっかけとなり得るでしょう。特に社会悪をあぶりだした小説や映画は、受ける側に正しい道の歩み方を授けることが可能です。それでもその効果の有無を判断するのは読者であり観客なのです。
作品の中に物事の真理が隠されているかもしれません。それを探し出して感動すれば、自分の血肉になり人として大きく飛躍できると思います。しかし、感動はするものであり、させるものではないことだけは強く認識してください。
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