森羅万象から学ぶ人生羅針盤「才能を表すタイミングが重要」
2022.02.11
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「才能を表すタイミングが重要」
中国の古典『宋名臣言行録』のなかに、「切(せつ)に当(まさ)に韜晦(とうかい)して、圭角(けいかく)を露(あらわ)すなかれ」があります。圭角は、自分の才能のことで、韜晦とは、そんな自分の才能を包み隠すことです。
この言葉の元になったエピソードが、中国の宋の時代に活躍した宰相・杜衍(とえん)が優秀な部下に送ったアドバイスなのです。杜衍はその部下に、これからもっと出世してほしいと思ったのですが、あまりにも優秀過ぎることを懸念していました。
そのため、いたずらに自分の優秀性を主張せず、できるだけ目立たないようにして、協調性を養うように指導しました。そうすうことによって、周囲の反発を押さえられ、物事が円滑に遂行し、自分の実績になるからです。
自分のやりたいことをするのであれば、それなりの地位になり、権力を身につけないと実現できません。しかし、その地位に上るには、周囲の評価・支持が必要で、特に上司に認められなければ、昇進できないものです。
そして、ここで気を付けなければならないのは、周囲の人は決して公平とは限らないということです。やたら目立つと、それをやっかむ同輩がいたり、自分の地位を脅かすのではないかと警戒する上司もいたりするからです。
以前、「能ある鷹は爪を隠す」として、才能や実力のある人は、軽々しくそれを見せつけるようなことはせず、爪を出すときに思う存分出してこそ、その真価が見出せることをご案内しました。
まさに、自分の才能を表すにもタイミングが重要なのです。不要な自己顕示欲によって摩擦を起こしてしまえば、本来の目的を果たすことはできません。
会社をはじめ組織の中で活躍するには、周囲の人の心理を理解し、その関係性を最優先してこそ、才能を生かすことができることを肝に銘じておきまし
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