森羅万象から学ぶ人生羅針盤「指導を受けるに値する人」
2021.09.02
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「指導を受けるに値する人」
『論語』に、啓発という熟語の元になった「憤せざれば啓(けい)せず。悱(ひ)せざれば発せず。一隅を挙ぐるに、三隅を以て反(かえ)らざれば、則ち復(ふた)たびせざるなり」という言葉があります。
「憤せざれば啓せず」は、物事に対して、大いなる意欲を示さない者には教えないという意味です。
また、「悱せざれば発せず」は、理解しているのだけれども、それを言葉にできないで悩んでいるレベルにまで達していなければ、教えるに値しないとしています。
そして、「一隅を挙ぐるに、三隅を以て反らざれば、則ち復たびせざるなり」は、物事の一部を指導した後、残りの部分について、自分で考えて答えを持って来ないような者にも、教える必要はないと言っています。
ビジネスの現場は言うに及ばず、高等教育機関になればなるほど、必要最低限の指導はしてくれますが、その後は自分で考えて、どうしても分からないことがあった場合に、初めてさらなる教えを乞うものなのです。
そのような中、現在では、上司が部下を指導することは当り前で、しかも部下が理解しやすいように工夫すべきであるという考えが浸透しました。
確かに一理あると思いますが、肝心の部下に努力する姿勢がなければ話になりません。そして、実際に活躍している人の多くは、基礎的な説明を受けたら、その後は意欲をもって自分の頭で考えて答えを出し、そのうえで不明な点の指導を仰いでいるのです。
世の中は、決して甘くはありません。やる気がなく、努力もしない人は、教える値打ちがないので、誰からも相手にされず、必ず見捨てられてしまいます。
まずは、あらゆる自主性を発揮して、指導を受けるに値する人になりましょう。そういう姿勢こそが、あらゆる学びの第一歩なのです。
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