森羅万象から学ぶ人生羅針盤「日本語力を鍛える」
2024.07.23
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「日本語力を鍛える」
名門進学校として名高い神戸の灘高校で、中勘助氏の著書『銀の匙(さじ)』を教科書に用いたことで知られる国語教師・橋本武氏は、国語について「学ぶ力の背骨」と評して、その重要性を訴えてきました。
アメリカンスクールの子女は、いわゆる「英語脳」であるため、在日外国人の子女に限らず、そこに通うネイティブな日本人でも英語で物事を考えています。
しかし大半の日本人は日本語で物を考えます。そのためアメリカンスクールの子女は日本語の語彙力が不足し、思っていることが伝わらずコミュニケーションに問題が生じているようです。
それでも最近では、ネットにおけるSNSのやり取りを見ても、いわゆる「活字離れ」が減少し、逆に活字の読み書きが盛んになり、書籍を読まない形での「脱・活字離れ」が実現しました。
メールやSNSでの書き込みなどで、何かを伝えるときに、優れた文章力が大きな武器になります。そんな文章力を養う基本中の基本が読書に他なりません。そのため、書籍を読まない形での「脱・活字離れ」はあまり大きな意味を持っていないのです。
しかし、正しい日本語力を鍛える必要性は依然として残っています。そしてもし、あえて難解な文章を書いて、その行間に真の思いを込められるようなレベルになれれば、読む人それぞれに独自の解釈をしてもらえるようになります。
そうなるには、日本語の正しい意味を理解することからスタートしましょう。例えば「敷居が高い」は、「不義理をして出入りしにくい」状態を示すのが正解で、「お高くてとっつきにくい」ものを指すのではありません。「クラシック音楽って敷居が高いよね」は誤用なのです。
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