森羅万象から学ぶ人生羅針盤「春風と秋霜のバランスを実現」
2023.04.21
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「春風と秋霜のバランスを実現」
自らの言葉を収載した『言志四録』(げんししろく)などの著書で知られる江戸時代の儒学者・佐藤一斎の言葉に、「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら慎む」があります。要するに人に優しく自分に厳しくあれということですが、これが中々できません。
まず、他人の欠点にばかりどうしても目が行ってしまう人は、春風を吹かすことなどできません。なぜなら、その指摘が必ずしも客観的であるとは限らず、ただの悪口であることが多いからです。
そんな悪口は、例えそれが自分に向けられたものでなくても、聞いていて気分の良いものではなく、春風に吹かれた気分になどなるはずがありません。そして、発言の内容がすべて自分の都合優先であれば、むしろ嫌な臭いを伴った北風みたいなものです。
だからといって、あまりにも生温い風は、ただの甘やかしになるので、まさに香しい春の薫風であれば、相手も素直に指摘を受け入れ精進してくれるようになります。
そして、自分に厳しい人は まさに秋霜の冷たさに耐える試練を与えて鍛錬に余念がありません。その目的はずばり自己実現・自己超越したいという成長願望を満たすことです。
そんな姿を周囲の人は間違いなく見ており、信用・信頼は増すばかりです。そんな期待に応えようとさらに努力して成果を出せば、当然自信がつきます。それが次のステップを上る力になるのです。
しかし、自分に厳しい人は無意識に他人にも必要以上に厳しくなっているものです。だからこそ、春風を以て人に接しなければならないのです。そうすることで、多くの協力者が得られ、さらなるビッグビジネスに挑戦できるようになります。
こうして、春風と秋霜の絶妙のバランスを実現すれば、間違いなく認められる一廉(ひとかど)の人物に成れることを肝に銘じておきましょう。
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