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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「本当の満足を知る」
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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「本当の満足を知る」

2022.06.27

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「本当の満足を知る」
 仏教において克服すべき最も根本的な3つの煩悩である貪(とん)、瞋(じん)、癡(ち)を毒に例え、三毒としています。貪は欲望です。瞋は怒りや憎しみです。癡は物事の真理を理解できない無知、愚かさです。

 この煩悩を乗り越えるために、大乗仏教の経典『遺教経(ゆいきょうぎょう)』のなかには、「八大人覚(はちだいにんがく)」という教えがあります。それは、少欲(しょうよく)、知足(ちそく)、楽寂静(ぎょうじゃくじょう)、勤精進(ごんしょうじん)、不忘念(ふもうねん)、修禅定(しゅぜんじょう)、修智慧(しゅちえ)、不戯論(ふけろん)の8つで、修行僧が守らなければならない言葉なのです。

 欲がなければ人間は成長しないのですが、際限のない欲は身の破滅を招くので気を付けなければなりません(少欲)。そして、十分であると思ったら「足るを知る」のです(知足)。続いて、心を落ち着かせるために世の中の雑音から解放され(楽寂静)、絶え間なく努力するのです(勤精進)。

 さらに、常に正しい道を歩むことを忘れない(不忘念)ために、心を安定させておきましょう(修禅定)。そして、様々に有用な知恵を習得し(修智慧)、決して無益な争いに拘わらないようにします(不戯論)。

 この8つの言葉を適切に実行するには、いつも立ち止まって自分を見つめることを繰り返すのです。特に、少欲と知足の確認には注意しましょう。もう十分目標は達しているのに、さらなる欲望が膨れ上がりすぎていないかなどを確認するのです。

 そのうえで、今の自分に必要なものは何かと改めて問うてみます。その時に有効に作用するのが、静かな環境(楽寂静)、正しい道(不忘念)、有効な知恵(修智慧)です。それを踏まえて、争うことなく(不戯論)、心おだやかに(修禅定)、努力を続けるのです(勤精進)。
 こうすることによって、本当の満足を知り、幸せに感謝することができると強く認識してください。

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