森羅万象から学ぶ人生羅針盤「正しい方向性の情熱を示す」

2023.12.14

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「正しい方向性の情熱を示す」
　オランダの哲学者スピノザの言葉に「感情は、それとは反対の、しかもその感情のもっと強力な感情によらなければ、抑えることも除去することもできない」があります。

　しかし、この言葉をストレートに受け取ってしまうと、感情的になった人間同士が喧嘩して、より声の大きい、つまり立場が上で強引な人が、黒いものを白くさせるように誤解されてしまいます。

　それならばここで「躍進流」を用いて、感情を情熱に置き換えて考えてみると、非常にポジティブで前向きな示唆になります。

　つまり情熱をもって物事に打ち込んでいても、必ずしもその方向性が正しいとは限らないからです。むしろ集中すればするほど周りが見えなくなり、他人の意見にも耳を貸さなくなるものです。なぜなら、自分が注いでいる情熱の方向を正しいと信じて疑わないからです。

　そんな状態を第三者が冷静に客観的に見つめれば、「このままだととんでもないことになる」と分かり、なんとか軌道修正を試みるのですが、情熱の塊のような人物には一向に効き目がありません。

　そこで正しい方向性を持った、その人以上の情熱を示すことができる人物が必要になってくるのです。それはメンター（相談者、理解者）などのレベルではなく、いわばヒーローのような絶対的な存在であるべきでしょう。

　そのヒーローが、強烈な情熱をもって、正しい方向に向かって物事に臨んでいる姿を見せるだけで良いのです。情熱のある人間は、そんなヒーローの「背中」を見て、自分の誤った方向性を正すことでしょう。

もし企業トップや上司がヒーローになれれば、部下や後輩の情熱を最大限に燃やすことができます。やってみてください。