森羅万象から学ぶ人生羅針盤「決して人を捨てない」
2021.11.09
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「決して人を捨てない」
中国の歴史書『後漢書』のなかの有名な言葉に「貧賤の交わりは忘るべからず、糟糠の妻は堂より下さず」があります。これは、文字通り、糟糠の妻という言葉の元になり、人としてのあるべき姿を示した故事なのです。
光武帝劉秀が、重臣である宋弘に対して、「富みては交わりを易(か)え、貴(たっと)くしては妻を易う」ということわざについて感想を求めました。
裕福になったら交際する友人を変え、身分が高くなったら、古女房を追い出しそれにふさわしい新しい妻をめとるのが当たり前と言われていた時代において、宋弘は、前述の故事を説明し、貧しい時に助けてくれた友達のことは忘れず、糟糠(酒かすや米ぬか)などの粗末なものを食べてまで苦労を共にした妻と別れることはないと明言したのです。
名声を得て、それまでとは違うレベルの人たちと付き合うようになると、周りの景色が違って見えてしまうものです。特に、大企業のトップになれば、政財界の大物と呼ばれる人から、世界の要人との付き合いも要求されます。
しかし、だからといって、それまでの人間関係を捨てる理由にはなりません。環境の変化によって考え方が変わるかもしれませんが、一気に上等な人間になったと錯覚してはいけないのです。
有力者の令嬢との縁談や、玉の輿のチャンスが訪れて、それまで長年にわたって付き合ってきた交際相手を、いとも簡単に捨てるような人の人間性を誰も評価しません。そして、人を捨てる人は、何かあれば、間違いなく今度は自分が捨てられることを肝に銘じておきましょう。
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