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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「温故知新の極意を学ぶ」
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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「温故知新の極意を学ぶ」

2023.02.19

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「温故知新の極意を学ぶ」
 前回に引き続き、「学生が嫌いな科目ワーストランキング」上位の、数学と並んで嫌われている古文を学ぶ意味をお話ししましょう。この話を進める前に、その前提となる「歴史観」についてご説明します。実はこれは、西洋と日本では真逆の見方がなされているようなのです。

 西洋では基本的に、歴史は進歩するという前提で見られています。昔に遡(さかのぼ)れば、世界中には専制君主が存在しました。しかし、民衆が起こす革命によって専制君主から解放され、万民が平等に平和に暮らせるようになれると信じられてきたのです。

 しかし、実際は違いました。いわゆる「ベルリンの壁」崩壊によって東西冷戦が終結し、自由主義が勝利して歴史の最終局面にたどり着いたと思ったのです。ところがその後、各地で民族紛争が起こり、さらにロシア、中国、北朝鮮などの共産主義国家は、まるで専制主義国家同様の独裁ぶりを発揮し、歴史に逆行しているかのようです。

これに対して、日本では「歴史はどんどんダメになっていく」という前提があり、昔に遡れば遡るほど素晴らしく、古文、特に和歌の中には、偉大なる教えが存在していると信じられているようです。

『新古今和歌集』の撰者である公家・歌人の藤原定家(ていか)などは、「鎌倉時代は末法の世。仏の教えが廃れていく」と指摘しています。もっともこれは、1221年の「承久(じょうきゅう)の乱」がきっかけとなり武家社会が訪れたことへの恨み節かもしれません。

このように西洋と日本では歴史観が違い、どちらが正しいのかは誰にも分かりませんが、いずれにしても和歌をはじめとする古文には、先人の素晴らしい教えが込められていることだけは確かです。

まさに、古文を勉強することは温故知新の極意を学ぶことです。現代語訳された作品も数多くありますので、古文の魅力を再確認してください。

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