森羅万象から学ぶ人生羅針盤「無の境地で真の自分を知る」
2022.04.19
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「無の境地で真の自分を知る」
禅宗の代表的な考え方の1つに「無の境地」があります。ここで言う無とは、有る無しという二元的な意味合いではなく、固定したものは無いという意味の無なのです。
例えば、人には仕事の顔や夫の顔、親の顔など様々な顔があります。そのうちのどれが本当の顔であるかではなく、そのすべてが自分の顔なのです。そんな顔を使い分けられるのは固定した顔がないからです。つまり顔は無なのです。
さらに、それぞれの顔も細分化されているのです。同じ仕事の顔でも、お客さまの前で見せる顔もあれば、上司の前で見せる顔、部下や後輩の前で見せる顔では、まったく違うはずです。
しかし、固定したものが無いと分かれば、どんな顔になってもよいと、すべての顔を素直に受け入れる気持ちにもなれます。そして、それが無の境地に至ることであり、そこにいるのが真の自分なのだと気付くのです。
そうなれば怖いものなどなくなります。なぜなら、いかなる状況に陥っても、そこで見せる顔には迷いがなくなっているからです。迷いがないとなれば、その時に必要な顔になりきることができ、物事に全力で向かえるのです。
世の中には自分を縛る制約があり、また否応なしに様々な問題に直面して、それを乗り越えていかなければなりません。それには時間が待ってくれないものがたくさんあります。しかし、その時に迷いがなければ、極めて適切かつスピーディに対処でき、最良の結果をもたらすことができるのです。
改めて、無の境地で真の自分を知ることを強く認識して、どんなことにも迷うことなく邁進してください。
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