森羅万象から学ぶ人生羅針盤「無用の用」を実践する
2021.06.07
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「無用の用」を実践する
「無用の用」という言葉があります。一見、役に立たないようなことでも、実は大いに役に立っているという意味で、これには、老子と荘子に、それぞれの語源があります。
老子は、無用なものがあるからこそ、有用なものが生み出されるとし、荘子は、役に立つものばかりを認めるのではなく、役に立たないように見えるもののほうが、かえって価値があることもあるとしています。
言い方は違えども、どちらも本質的には同じ結論にたどり着くように思えます。現代においては、荘子が示す意味で用いられることが多いようです。
そして、専門知識のように即効性はありませんが、長い目で見ると、我々の生活、人生において重要な役割を果たしているものの代表が、いわゆる教養です。それは、豊かな人格を構成するうえで、欠かせないものだからです。
特に、名作といわれる文学作品や、美術や映画などの芸術作品は、教養としての価値は大いにあります。
それらに触れることは、人生における重要なことを理解する上で、実際の形を知るための、いわばケーススタディを受けることだからです。
人は、通り一遍の言葉だけで、物事を理解することは不可能です。もし、それが可能ならば、マニュアル本や、ことわざなどを集めた本だけを読んでいれば事足りますが、それは言葉の上辺に触れただけで終わることが多いのです。
例えば、「人を愛しなさい」と言われただけでは、必ずしも心に残るとは限りません。人間愛を描いた文学作品などに触れて、また一枚の絵画を見て、その具体的な形を受け止めることで、真の理解が得られるように思うのです。
人格者と呼ばれる人は、こうした教養を身につけ、「無用の用」を実践しており、人間として実に奥深いものです。「無用の用」は、人として豊かになるために、決して忘れてはならない考え方なのです。
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